2008年05月26日

音圧が圧巻の『ミンガス・プレゼンツ・ミンガス』






この一体感は驚異!

音の圧縮感も圧巻!

たった4人でこのサウンドだ。

ミンガス以下、
3人の精鋭ジャズマンが
まるでミンガスの手・足・口となり
「ミンガス」という音楽を作り上げているようだ。

というより、分身の術でミンガスが4人になり、
4人のミンガスが自分の音楽を100パーセント理想的なカタチで具現しているかのようだ。


とくに、ドラムスのダニー・リッチモンドの貢献が大きい。

このアルバムの演奏に限ったことではないが、
彼の存在こそ、まさにミンガスの手足だといえる。


親分の意図を理解し、
かつ親分の気分を瞬時に察知し、
気持ち悪いほどミンガス親分奏でるベースと
ピタリと一致したリズムコンビネーションを見せる。

特に、《フォーバス知事の寓話》の演奏は、
かなりの頻度でリズムチェンジが繰り返されるが、
ミンガスの影法師(奉仕?)とでもいうべき
見事なサポートを果たしている。

ダニー・リッチモンドは、まさにミンガスのために
生まれてきたドラマーといても過言ではない。


ところで、
『ジャズ・ホット』(JICC出版局)という
ジャズマンのインタビューを集めた本をひも解くと、
じつは、このレコーディングの直前には、
ちょっとした諍いがあったという。

首謀者はトランペッターのテッド・カーソン。

ギャラの件に関しての抗議だそうだ。

彼はドルフィーを誘い、ミンガスに対して
レコーディングのストというカタチで
抗議をしたということが記されている。


それにしても、そんなイザコザや行き違いなど
微塵も感じさせないほどの見事に一致したアンサンブル
そして特に1曲目と4曲目における突進感は凄まじい。


ミンガスのリーダーとしての統率力な並々ならぬものがあるが、
4人という少人数編成を統率するだけではなく、
それを超えたハプニング、
そしてそのハプニングがもたらすインパクトまでをも計算に入れたかのごとくの
バンドリーダーっぷりは、やはり見事。

4人が4人以上の働きをしていることは言うまでもない。

リトル・ロック事件で一躍有名になった
人種差別主義者のアーカンソー州知事を嘲った《フォーバス知事の寓話》や、
《ホワット・ラヴ》においての、
ミンガスとドルフィーによる
楽器同士”の会話で
有名なアルバムではあるが、

それ以外の2曲で体感できる、全編叩きつけるようなアンサンブルから生まれる音圧のほうも、全身にビシビシと浴びて欲しい。


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●アルバム
CHARLES MINGUS PRESENTS CHARLES MINGUS


●レーベル
Candid


●リーダー
Charles Mingus


●収録曲
Folk Forms,No.1
Original Faubus Fables(フォーバス知事の寓話)
What Love
All The Things You Could Be By Now If Sigmund Freud's Wife Was Your Mother(汝の母もしフロイトの妻なりせば)


●パーソネル
Charles Mingus (b)
Ted Carson(tp)
Eric Dolphy(as,bcl)
Dannie Richmond (ds)


●録音日
1960/10/20



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posted by 雲 at 19:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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